「今回はですねぇ」
完璧な化粧でスマイルするサービスカンターのお姉さんから引き継いだ、カメラ担当と思われるおじさんが、丁寧に説明してくれます。
「実際にやってみましょう」
とケーブルを取り出し、後ろに展示してあった液晶TVへと案内してくれました。
今度のα700がHDMI端子を搭載していて、HDMIケーブルでHDTVに高解像度で出力できる機能を装備したことは、事前のネットの情報で聞いていました。
「ええ知っていますよ、でもねぇ」
って言う気分で実演を見守っていました。そう、たいした期待はしていなかったのです。
でも、今回、これが一番びっくりする機能だとは思いもしませんでした。
カメラとTVを達者に操作しながら、入力を切り替え、撮影したデモ写真が表示されたとたん、正直驚きました。
「TVは所詮TV、PC用の専用ディスプレイとは画質が違う」
と思いこんでいたのですけど、横浜に停泊した客船が写った画像は、モニターに使用しているディスプレイの品質とそう相違はなかったように感じました。
すると、思い知らされるのは、X7000という70インチ画面の迫力。
我が家の24インチでもこの用途のディスプレイでは大きな方だと思うのですけど、それでも画像を等倍に近づけると全体像を創造できないほどの大きさでしか有りません。
が、こいつは、α700背面のわずか3インチの画像を70インチまでに拡大できる訳です。
「すげー」
と正直思ってしまいました。不覚です(笑)
係員の説明によると、どうやら今度発売するタムロンOEMの18-250mmレンズで撮影しているらいいのですけど。
一般に高倍率ズームは周辺画像が甘いなんて言われますけど、この大きさにして十分な解像度を得ているのを目にして、これで十分じゃん、と思いました。
やはりこのVIERAは、SONYの回し者ではないですが(笑)、α700向けに輝度、彩度、コントラストをチューニングしているらしく、普通の動画を見るモードと切り替えると実に自然な状態で静止画を鑑賞することが出来ます。
動画モードは、いかにも見栄えをよくするためにトーンカーブをいじり損ねたようなパリパリの画像になってしまいます。見栄えがするのがリアルでないことを再認識した瞬間でした。
それで、250mmに切り替えると、結構拡大されます。
カメラを操作して画像を拡大すると、船全体が見えていたのが嘘のようで、窓越しの船室内に誰か居れば判るぐらいに拡大されます。おお。用途を間違えないように(笑)
百聞は一見にしかず、というのはこのことです。
カメラはTV画面を綺麗に写すのは昔から苦手です。
ネットや雑誌のデモ写真を見ても、絶対「ふ~ん」程度にしか思いません。
なにせ綺麗に写らないのです。
このデモは何所でも出来る訳では有りません。
そこはSONYの辛いところでしょう、実際に見さえすればその凄さは体感できるのですから。
このためだけにVIERAが欲しくなりました。
とはえX7000は400万円もする超弩級TV。
けど、安くなった42型などでもリンクする意味は感じれると思います。
このサイズでPCモニターを造れば100万円は軽く超えるでしょう。
そういうふうに考えると、総合家電メーカーのSONYの強みを感じることが出来ます。
へー、と思わずにいられない経験でした。